2022.12.20
クリスマスも近づき、急に冷え込んできましたね。
こんなに寒い日が続くと、朝起きる時に
「人間も冬眠できたらいいのに」「お布団にくるまって寝ていたい」
と誰もが一度は思うのではないでしょうか。
ほとんどの動物は冬眠するのになんで人間は...。
これまでの研究でも人間の体に冬眠のようなプログラムは組み込まれていないと
考えられていました。
しかし近年、それに近い病気が存在することが明らかになっています。
春と夏は元気でハツラツとしていた男性が、
秋から冬にかけて気が滅入って元気がなくなり、また春になると元気になる。
しかも冬は元気がないのにも関わらず食欲は増え、熊のように体重が増加し、
春には食欲も体重も元に戻る、という症例がアメリカで確認されました。
しかもこれが毎年繰り返されるのです。
この症状の原因として研究者達が考えたのが「日照時間の変化」です。
冬になって日照時間が短くなったことでメラトニンやセロトニンの分泌が乱れてうつ症状を引き起こしていると考え、
ある一定以上の明るさを持つ人工の光を患者に当てる「光療法」を試してみたところ、
長年悩んできた男性のうつ症状に改善が見られたのです。
一般的には「冬季うつ」と言ったりもしますが、
一定の基準を満たした場合「季節性感情障害」という病気と診断され
対処が必要になることもあります。
冬になると、
・ なんとなく気持ちが滅入りやすい…
・ いつもより甘いものやパン (炭水化物) が欲しくなる…
・ 意識がぱっとせず常に眠いような感じがする… など心当たりがある場合は、
・ 朝起きたらカーテンを開けてしばらく太陽の光を浴びる
・ セロトニンの原料となるたんぱく質多めの食事を摂る
・ 外に出て日光を浴びる時間を増やす
といった食事や生活リズムなどの基本を意識することが大切です。
それでも心身がきつい場合は、医療機関を受診したり、
家庭用に販売されている光療法ライトを試してみるのもいいかもしれません。
冬眠したいけどできないのが人間社会。
できることから試して、苦手な冬を少しでも楽に過ごしましょう。