2022.10.04
前回のコラムでは、ペアレントトレーニングとはどのようなものかについて書きました。
今回は、具体的にどのようなことをするのかをご紹介します。
ペアレントトレーニングでは、まず子どもの“困った行動”に注目し、
その行動の前後も含めて細やかに観察するところから始まります。
そして、その中で、どのタイミングで、どのような対応を取れそうかを吟味し、実際の場面を想定して計画、
実践していきます。
その対応は、褒めたり見て見ぬふりをしたり、時には行動を制限したり…行動療法という心理療法の技法を使って、
その行動や状況に一番フィットしたものを選びます。
行動は、その回数や頻度、継続時間など、客観的にカウントすることが出来るので、
対応の効果を適切に評価することが出来ます。
その評価をもとに、その対応を続けるのか、少し変えてみるのか、次に向けて検討しやすくなります。
観察→吟味→計画→実践→評価を繰り返すことで、親も子どももよりよい方向に向かうことを目指します。
子ども自身が専門家にかかる方法ももちろん効果が期待できると思います。
ですが、一番子どものそばに長くいる親が子どもにとってよりよい対応が出来るようになるのは
ペアレントトレーニングならではなのではないかと思います。
参考までに、一般の方向けの書籍を載せておきます。ご興味のある方はお手に取ってみて下さい。
【参考図書】
神林靖子著(2009)『発達障害の子の育て方が分かる!ペアレント・トレーニング』.講談社
吉野加容子(2018)『発達障害とグレーゾーン 子どもの未来を変えるお母さんの教室』.青春出版社